Kitchen を使う準備
Kitchen とは
.kitchen.yml の編集
作成した Recipe が期待したとおりに動いているか確認してみましょう。
確認には Kitchen を利用すると便利です。
Kitchen とは、任意の環境をインスタンスとして起動し、プロビジョニングを行い、その結果を検証できるツールです。
インスタンスは何度でも簡単に作り直すことができるので、気軽に Chef の Recipe を試すことができます。
まずは Kitchen を使用するために、設定ファイル .kitchen.yml を編集しましょう。
driver: name: docker provisioner: name: chef_solo platforms: - name: centos-6.4 driver_config: image: centos forward: 8080 suites: - name: default run_list: - recipe[tar::default] - recipe[java::default] - recipe[jenkins::default] attributes: java: install_flavor: oracle jdk_version: 7 java_home: /usr/java/default oracle: accept_oracle_download_terms: true
driver
軽量・高速な docker を使用します。
Kitchen から docker を利用するには kitchen-docker のインストールが必要です。
$ chef gem install kitchen-docker
※ 今回の環境には既にインストールされています。
driver_config
centos をベース image とします。
利用できる image 名は Dockerfile の FROM 句で指定できるものと同じです。
詳細は Dockerfile のリファレンスを参照してください。
[ https://docs.docker.com/reference/builder/#from ]
forward ではホストマシンにフォワーディングするポート番号を指定します。
今回は jenkins が使用する 8080 ポートに http://localhost:8080 でアクセスできるように指定しています。
詳細は kitchen-docker のドキュメントを参照してください。
[ https://github.com/portertech/kitchen-docker ]
run_list
プロビジョニング時に実行する Recipe を指定します。
Jenkins の動作には Java が必要なので、今回は Opscode Community の java Cookbook を使うことにします。
また、java Cookbook の動作には tar が必要なので、これも Opscode Community の tar Cookbook を使います。
自作した jenkins Cookbook も忘れずに指定しましょう。
※ プロビジョニングに外部の Cookbook が必要な場合は後述する Berksfile の編集が必要です。
attributes
プロビジョニング時に Recipe にわたす Attribute を指定します。
Attribute とは Recipe に対するパラメータのようなものです。
今回は Opscode コミュニティの java Cookbook の Attribute を指定しています。
詳細は java Cookbook の README.md を参照してください。
[ http://community.opscode.com/cookbooks/java ]
Berkshelf とは
Berksfile の編集
プロビジョニング時に必要な外部の Cookbook は、このファイルをもとに berkshelf によって解決されます。Opscode Community の Cookbook であれば、次のように名前を指定するだけでOKです。
source "https://api.berkshelf.com" cookbook ‘tar' cookbook 'java' metadata
※ Opscode Community 以外の依存
Git リポジトリ
git: ‘https://path/to/cookbook.git’ローカルファイルシステム
path: ‘/path/to/cookbook’
Kitchen インスタンスの起動とプロビジョニング
では、作成した Cookbook を Kitchen のインスタンスへプロビジョニングしてみましょう。
$ kitchen setup
プロビジョニングが成功したら、Kitchen インスタンスにログインしてみてください。
[vagrant] $ kitchen login kitchen@localhost’s password: kitchen [kitchen] $ sudo service jenkins status jenkins (pid 17656) を実行中... [kitchen] $ exit
ログインできたら、jenkins サービスが実行されているか確認してみましょう。
/etc/sysconfig/jenkins の内容も確認してみてください。
うまくいっていない場合は、Cookbook を修正し、次のコマンドでプロビジョニングをやり直します。
$ kitchen converge
以前プロビジョニング結果が原因でプロビジョニングがうまくいかない場合は、次のコマンドで Kitchen インスタンスを破棄してから、再度プロビジョニングを実行します。
$ kitchen destroy $ kitchen setup
※ kitchen の主なサブコマンド
# インスタンスの生成 kitchen create # Chef-Solo のインストールと初回のプロビジョニング kitchen setup # プロビジョニング kitchen converge # Serverspec の実行 kitchen verify # ssh ログイン kitchen login # インスタンスの破棄 kitchen destroy
Web ブラウザで Jenkins にアクセス
docker コマンドでコンテナのポートを確認します。
$ docker ps CONTAINER ID PORTS e35e89ea252a 0.0.0.0:49153->22/tcp, 0.0.0.0:49154->8080/tcp
コンテナの 8080 ポートがホストの 49154 にフォワーディングされていることが確認できます。
Firefox などの Web ブラウザで http://localhost:49154/ にアクセスしてみてください。
Jenkins の画面が表示されていれば成功です。