Chef でのプロビジョニングを行うには、まず Resource、Recipe、Cookbook という単語をおさえておきましょう。
これは、Chef を使うにあたって最低限作らなければいけないものです。
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Chef の Recipe(ソースコード)をとりまとめたものです。
一般的に、ひとつのアプリケーションやサービスに対し、ひとつの Cookbook が用意されることが多いです。
ChefDK の chef generate cookbook コマンドで Cookbook のひな形を生成します。
$ cd workspace $ chef generate cookbook <Cookbook 名> |
コマンドを実行すると、以下のファイルが作成されます。
Cookbook を編集するうえで、Eclipse が特に有利になる点は、実はありません。
2014/06 時点で RHEL 系の日本語環境で比較的マシに利用できるのが Eclipse しかなかっただけです。
好みのエディタで編集してください。(おすすめあれば教えてください)
スクリプトを実行し .project を生成します。
$ cd <Cookbook 名> $ gen-eclipse |
gen-eclipse は、.project を生成する自作スクリプトです。 手動で作成する場合、.project は以下のような内容です。
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Eclipse を起動し、次の手順でプロジェクトをインポートします。
File -> Import...
General -> Existing Projects into Workspace Next
「/home/vagrant/workspace/<Cookbook 名>」を追加 Finish |
標準では .kitchen.yml が見えないので、次の手順で隠しファイルを表示します。
Package Explorer の ▽ を選択 -> Filters… 「.*resources」のチェックを外す OK |
Chef では、サーバーのあるべき状態を Recipe(ソースコード)として記述します。
Recipe は「ファイルのダウンロード」や「コマンドの実行」など、さまざまな機能をもつ Resource から構成されます。
Resource は Chef 公式のものだけで40種類以上ありますが、基本的な構文はどれも同じで、
次のように、ユニークな Name をもち、1つ以上の Attribute によりパラメータを指定でき、実行時の動作を Action で指定します。
resource "name" do attributeA "valueA" attributeB "valueB" action :action end |
次の Recipe は「'/tmp' ディレクトリで、 'tar zxf archive.tar.gz' というスクリプトを、bash で実行する、'extract tar file' という名前の Resource」を定義したものです。
bash 'extract tar file' do cwd '/tmp' code 'tar zxf archive.tar.gz' action :run end |
ここでは Chef 標準の bash Resource をベースに、cwd Attribute に実行時のディレクトリを、code Attribute に実行するスクリプトを指定し、
Action には Resource の実行時にスクリプトが実行されるように :run を指定していて、
これらの指定を行った Resource に 'extract tar file' という Name をつけています。
指定できる Action や Attribute は Resource ごとに異なるので、Resource のドキュメントを逐一確認するようにしてください。
bash Resource であれば ここ です。
Resource のドキュメントは見つけにくいです。 |
Recipe は上から順に解釈され、Resource は基本的には Recipe に定義した順で実行されます。
たとえば、「ファイルをダウンロード」してから「ダウンロードしたファイルを解凍」したい場合は、次のように記述できます。
remote_file '/tmp/archive.tar.gz' do source 'http://path/to/archive.tar.gz' action :create end bash 'extract tar file' do cwd '/tmp' code 'tar zxf archive.tar.gz' action :run end |
notifies などを利用して、Resource の実行順序を制御することも可能です。 |
Recipe に書いたコードは基本的に Recipe が解釈されるときに実行されます。 |
Chef では何度 Recipe を実行しても同じ結果になることが望まれています。
これは Chef 標準の package Resource などを使用していれば Resource 側で確保してくれるのですが、
bash Resource などでは自力でがんばって確保するしかありません。
冪等性を確保するには、not_if や only_if を使用して Resource にガード条件を設定します。
例えば、特定のファイルが存在しないときだけ Resource を実行するには次のように書きます。
exexute 'install peco' command 'cp /tmp/peco_linux_amd64/peco /usr/local/bin/peco' not_if { File.exists?('/usr/local/bin/peco') } end |
この例では、Resource が実行される直前に not_if ブロックの Ruby コードが実行され、結果が false のときだけ Resource が実行されます。
逆に結果が true のときだけ Resource が実行されるようにしたい場合は only_if を使います。
また、Ruby のブロックでなく、文字列を直接わたすこともできます。
exexute 'install peco' command 'cp /tmp/peco_linux_amd64/peco /usr/local/bin/peco' not_if "test -e '/usr/local/bin/peco'" end |
この場合は not_if にわたした文字列がシェルスクリプトとして実行され、実行結果が 0 以外のときだけ Resource が実行されます。
さきほどと同じように、結果が 0 のときだけ Resource が実行されるようにするには only_if を使います。
はじめは、目的に対して適切な Resource をさがせることがいちばん大事です。
Google で検索してもいいですし、Dash を使ってもいいですし、Chef実践入門 や Chef活用ガイド のような書籍を利用するのも手です。
ここまでの手順がなんとなくわかったら、次は実際に Cookbook を作ってみます。
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